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スターレイル用

呑み過ぎは程々に


・短め
・R18
・少し睡姦要素
・俺様りゅーそん
・ほぼやってるだけ






 一仕事を終え、応星が工房で茶を飲みながら寛いでいれば、機巧鳥の羽ばたき音が聞こえ、傍らに手紙を落とした。
 何かの依頼か、或いは要件か、などと考えなくとも龍尊の紋が入った筒を見れば、誰から送られたものか一目瞭然で、応星の口元に笑みが零れる。

 いい酒が手に入った。
 今日の夜待っている。

 巻かれた紙を開けば人の都合も、断られるとも考えない、尊大な龍尊様らしい一文。
「寂しがって拗ねても何だし、行ってやるか」
 へら。と、応星は笑い、席を立って道具の片付けを始める。
「随分機嫌が良いな」
 鼻歌などを歌っていれば、工房の仲間から指摘され、
「あぁ、友達からの誘いが来たからな」
 言われた通りに機嫌良く返し、一度家に帰って汗を流してから適当なつまみを道中見繕って丹鼎司まで赴く。

 門を叩けば持明族の家人が応星を見るなり恭しく、深々と頭を下げた。
 仰々しい。と、感じながらも今や慣れた通路を案内され、園林に入れば、既に丹楓が座って待っており、応星を手招いた。

「つまみに干し肉買ってきた。お前これ好きだったろ?」
「あぁ、早く座るといい」
 応星が長椅子に座れば、直ぐに丹楓が酒器に酒を注ぎ、渡してくる。
 一口含めば柔らかな口当たりに果物のような芳醇な甘い香り。
「確かにいい酒だな」
 するすると喉を降りていく酒に気を良くした応星が口を回し、丹楓が頷きながら聞く。

 夜が更けていけば、つまみを半分以上残して酒が空になり、上質な酒を呑んで上機嫌の応星まだ帰りたくないと言う。
 丹楓が家人を呼んで追加の酒を用意させ、酒器に注げば応星の酩酊も夜と共に深まっていく。

 ■★□ーーーー□★■

 応星が瞼を開け、瞬きながら薄暗い周囲を眼球だけで確認すれば、何度か見た事ある景色。
 ぼやけた頭で丹楓の寝所だったと思い出す。

 呑み過ぎて眠ってしまったものか。
 迷惑をかけてしまった事実を認識し、謝らなければ。などと考えていれば、ひた。と、頬に手が当てられ、応星の瞳が黒い影を捕らえる。
「応星」
 暗くて見え辛いが、丹楓の声。
「ごめん、ねて……」
 もにゃもにゃとした不明瞭な声で謝れば、微かに笑う声。
「豪胆だとは思うがな、まぁ良い」

 豪胆?
 龍尊の邸宅で、寝こけるなど確かに。

 意味を理解しないまま、勝手に解釈していれば、丹楓の手が頬から首筋に移動し、指がくすぐるように肌をなぞり、応星が離れようと身をよじれば下半身の違和感に気がつく。
「ん、なに……」
 何か太く長い物が股座に挟まっているような、そんな違和感。
「眠っていても愛らしくはあったが、もっと乱れる姿を見せてくれ」
 宣言と同時に腰を掴まれ、体内に長大なものが入り込む感覚に応星は息を詰まらせて驚くが、痛みなどはなく、寧ろぞくぞくと腰回りに電流が這い回っているようで肌が粟立った。
「ぁ……、んっ……」
 自分から出たとは思えない震えた声が信じられず、応星は口を手で塞ごうとするが、丹楓の手がそれを止め、寝台に縫い付けながら握り込まれてしまう。
「たん、まっ……、はっ、ぁ、う……」
 丹楓が体を揺らせば、応星が体に感じる痺れは全身に渡り、声も止められずに体温が上がっていく。言いたい事は沢山あるのに、唇から零れるのは上擦った意味をなさない言葉ばかり。
 丹楓の唇が首筋に触れるだけでも、またそこから痺れが広がって、受け入れるように無意識に顎が上がり、敷布に後頭部を擦りつけてしまう。
「応星、もっとお前を味わわせてくれ」

 味わう。
 そうか、俺は丹楓に食われているのか。
 
 熱に蕩け切った頭で端的に意味を捉え、
「やさしくたべて……」
 と、丹楓に濡れた声で懇願する。
 痛いのや苦しいのは嫌だな。などと考えた結果、出てきたものだが、これを受けた丹楓は、自身でも解るほど瞳孔が開き、応星の腰を掻き抱くとゆるゆると沈めていた性器を奥まで打ち込み、首筋に噛みついて『優しく』とはほど遠いほど、寝台を軋ませながら激しく応星を苛んだ。
 この丹楓の激しい猛攻に、体内を猛火で炙られているような熱が応星の全身を舐め、押し潰されて出る声は悲鳴のようでいて、甘ったるく空気を震わせながら助けを請うように空を掻いた応星の指が丹楓の上腕を掴み、爪を立てて傷を残す。
「おう、せい……」
 荒ぶった感情を応星に叩き付け、体内に精を吐き出し、髪と衣服を乱してぐったりと寝台に沈み込む応星に口づける。

 応星は丹楓にされるがままで、筋張った手が胸部を鷲掴みにして揉みしだけばあえかな声で喘ぎ、体内に収まったままの性器が動けば長い足を跳ねさせる。
「たんふう……」
 これは応星にとって経験のないもの。けれど、熱くて、苦しい筈なのにもっと欲しくなる何か。丹楓に体を貫かれた際の脊髄から脳へ駆け上がる甘い痺れに溺れてしまいそうになりながら、重力に今にも落ちそうな腕を持ち上げ、丹楓の髪を指で梳いて囁いた。
「もっと……」
「わかった」
 短い会話だがそれだけで良く、互いの熱を分け合いながら、いつまでも応星の甘い声と睦み合う音が部屋に響いていた。

 ■★□ーーーー□★■

「何を拗ねているんだ。さっさと出て来い」
「い゙や゙……」
 丹楓の言葉に、寝台の上で布団のくるまりながら亀のように丸くなっている応星が枯れた声で拒否をする。

 一眠りして正気に返った応星は、二日酔いに加えて喉の痛みと全身が軋み、腰が抜けて動けなくなっている自分の状態を認識し、昨夜の記憶をまざまざと思い返して羞恥に悶えていた。
 体も身綺麗なり、衣服も整っているため、面倒をかけたのだろう想像も易く、あまりの恥ずかしさ、情けなさに穴倉に入りたい心地ではあったが、そんな丁度良い物はないため、布団の中に逃げ込んだ始末である。
「辛いのだろう?負担にならないようゆっくり体を整えてやるから出て来い」
「い゙い゙……」
 人を癒やせる丹楓の能力は知っているが顔も見られないほどの心地であるため拒絶する。
「応星、何を意地になっている」
「だっで……」
 この宅から速やかに退出した方が良い事も理解はしているが、少なくとも丹楓が側から離れてくれないと布団から出て行けそうにもない。

 長く息を吐く音が聞こえ、応星が盾にしている布団が外から引かれる。
 負けじと内からも引くが、体力が尽きている応星が勝てるはずもなく、敢えなく毟り取られた上に遠くに放られてしまい、隠れる場所がなくなった。
 せめてもの抵抗に、這いずりながら寝台の隅に逃げるが意味は無く、足を掴まれて引きずられ、眼前に丹楓の顔が迫る。
「口を開けろ」
 応星が首を横に振ってもお構いなしに顔を掴み、指で唇をこじ開けて食いつき、ねっとりと掌で肌を撫でる。応星の体は徐々に楽にはなっていく。だが、回復していくと同時に、腹の奥がきゅう。と、疼くような感覚に焦り、応星は丹楓の肩を押して引き離す。
「まだ気の流れが整っていないのだが」
「いいっ⁉変になる……」
 応星が顔を赤らめながら言えば、にた。と、丹楓が笑い、
「どんな風にだ?」
 などと煽ってくる。
「助平親父……」
「む……」
 見た目は持明族故に若いが、既に数百才の丹楓である。
 工造司の下品な猥談が好きな仙舟人達にあれこれ吹き込まれはしても、経験も知識も禄に無いがために、以前は半分も話の意味が解らなかったが、昨夜の経験と丹楓の行動で、なんとなく『こう言う事か』と、察してしまった。
 言葉自体は、猥談好きの人達の真似事であるが、多少なりとも丹楓には効果があったようだ。
「ひ、人が酔ってるからって手出すのは良くないぞ!」
「そうは言うが、そもそも誘ってきたのは貴様なのだがな?」
「えっ……⁉」
 酔ってそんな雰囲気に。
 そんな話も聞き覚えがあったため、お互いに酔いが回って勢いでなし崩し。と、考えていた応星だったが、丹楓からすれば、行為に誘ったのは己らしいと聞いて動揺が高まる。
「俺が……?」
「そうだな。自分から体を擦り付けて、口づけてきたが?」
 一切、記憶にないが、昨夜の己の行動に加え、丹楓が嘘を吐く理由はないため事実なのだろう。
「ご、ごめん……、気持ち悪い事して」
 愛らしい動物、幼い子供ならばともかく、こんな体躯もしっかりした男にすり寄られた所で喜ぶ相手は居なかろう。龍尊の立場故に傲岸不遜な態度が目立つが、丹楓は案外優しい。渋々付き合ってくれたのか。
 そう考えて応星が悄気ていれば、
「一向に構わん」
 丹楓は言い切って、抵抗が緩んだを幸いに再度口づけようとするが、応星が顔を押さえて拒絶する。
「もう大分楽になったからいい、ありがと……、もう帰るから……」
「ここに居れば良い。どうせ今日は工房には行かんのだろう?」
「いや、まだ仕事あるし」
「休んでおけ、貴様は働き過ぎだ」
「でも、作りたい物が一杯あるから……」
 ぐずぐず言う応星に対して丹楓の眉間に皺が寄り、険しくなった。
「動けないくらいが丁度良いか」
 嘆息とぼやきを一つ吐いた丹楓は寝台に応星を押し倒し、膝を割り開いてのし掛かる。
「え、えっ、ちょ……⁉」
「黙れ」
 応星は丹楓の行動に驚きながらも押し止めようとするものの手首を拘束され、ぬる。とした硬いものが下半身に当たって身を強ばらせる。
「ひっ……」
 無遠慮に体内に入り込んでくる丹楓の性器。
 数時間前まで丹楓の性器を受け入れて蕩けていた孔は同じように容易く異物を受け入れ、寒気に似た何かが背骨を伝って、ぞわ。と、駆け上がり、押し込まれ、引き抜かれる律動に勝手に足が跳ね上がる。
「お前、まだ酔ってんのか……⁉」
「俺は酔わん」
 応星は衝撃の事実に目を見開き、丹楓は鼻を鳴らす。
「いや……、酔ってて俺が変な事したから、そういう気分になったんだろ?」
「痴れ者が。好ましくない者を抱くほど耄碌もしておらねば飢えてもおらん」
 色事に疎い応星でも、ここまで言われれば察せざるを得ず、ぎゅ。と、心臓が縮まるような心地となり、肌を染めた応星が黙り込んでしまえば、丹楓はしたり顔で笑うと、
「では、抱き潰すが恨むなよ」
 とんでもない宣言をして応星の足を抱え直し、激しく律動を開始する。

 丹楓は宣言通りに、応星の体力が尽きるまで抱き、強制的に休暇を取らせたのだった。

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